目に映らないものにこそ関心を寄せる

やわらかい甘い秋の香り、金木犀。私には子供の頃を思い出す懐かしい匂いです🙂

経験していると「金木犀」と聞いただけでわかる「匂い」だけど、写真や言葉からは伝わらないですよね。

「脳出血の後遺症で重度の心身障害を負った息子が退院して家に戻ってくるけど…手続きも家で生活できるようにするのにも、何をどうしたらいいのかわからない。病院、行政の人達に相談しても不安が募るばかりだ」というご両親がいます。話を聞けば、相談対応した専門職の人たちが退院後に在宅生活が出来るように手続き段取りをしてくれていました。が、話せば話すほど更に不安が募ると言うんです。

私は、話を聞いていて、このご両親の不安は手続きや退院後の在宅介護環境ということではなくて、介護が必要になった息子の現状のこと、いま、これからの生活のこと、そして1番は、誰に話したら相談対応してくれて安心につながるのかということで、この全部が不安の塊になっているんだろうな、と感じました。

同じようなことを経験しないと、その気持ちはわからないけど、私たち専門職が相談対応する時に、言葉の裏側にある思いを察しようとするのと「いつでも話を聞いて一緒に動きますから安心してください」ってひと言伝えられたら、ここまで幾つもの不安を重ねることはなかっただろうな。
その不安の重なりが塊になって、どれほどの重さになっていたことかー…

これも「匂い」と同じように人にはなかなか伝わらないものですが、私は、介護だけでなく日々のいろいろなことを通じて、伝わりにくいものを察しようとする努力姿勢を持つことと、人の気持ちを察しれるように感度を上げていきたいです🙂📡

特定非営利活動法人 くらしアシストりう

福島県いわき市で、介護保険外の高齢者・在宅生活支援活動をしているNPO法人 くらしアシストりうの公式ブログです。

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